はじめに。ご挨拶。

はじめまして。漆間(ぬるま)と申します。都内でしがない女子大生をしています。普段からはてなのサービスをよく利用しているのですが、自分から文章を発信するような機会はなかったので、ちょっと緊張気味で文字を打っています。

 

 今秋、大学のゼミで王家衛ウォン・カーウァイ)について短い論考を書くことになり、いろいろ調べていくうちに「あれ…私って思った以上にこっちの映画が好きなのかも…?」となったのが、このブログを立ち上げた理由です。

 

つまり、このブログは王家衛から中国(香・台)映画に夢中になった管理人が、周囲にアジア映画を話せる仲間がゼロという状況を嘆きながら、自分の思いの丈をそのまま吐き散らかす(お行儀の悪い)ブログになる予定です。需要?関係ねえ!また、どうしたら周りの人びとを華流の世界に引き込めるか…という小さな野心を抱きつつ書いてゆくつもりです。みんなもっとアジアの映画を見よう!早い話、消費者の裾野を拡げて、VHSのまま放置されている作品を早急にDVDにまとめてほしいのである。現金だ。

正直、これまでずっと華流について思い切り書きたい!と考えていたのですが、黄金期をとうに終えた(と言われている)香港映画をはじめ、周辺諸各国の映画について、先輩方が築いてくだすった数々の論考を前に、なお語り直すことにどれほどの意味があるのか?二の足を踏んでいる状態でした。

まだまだインターネットが未発達であった時代から、ロケ地ひとつ調べるにしても、現地の住所録で調べながら辿るというアナログな手段しかなく、自らの脚を使いながら情報を調達し、またそれらを惜しみなく日本のファンに伝えることに尽力してくださった多くの先輩方には頭が下がります。時間、お金の掛け方、探究心、語学への取り組みも、今のファンよりもっともっと意欲的でディープだったのではないでしょうか。

現在であれば調べものは何でもクリックひとつで事足りますが、当時は映画の情報を得るためには、中国系ビデオショップに赴き一つ一つパッケージに当たっていくことでしか、手がかりが掴めなかったわけです。本当に、大変な作業です。今はネットさえあればロケ地の場所も簡単に調べられますし、フィルモグラフィーもすべてWikipediaに載ってますし(マイナーな監督だとたまに項目がなかったりするけど…)あり得ないほど気楽に海外の映画を追いかけることが可能になりました。その一方で、これはどの分野にも言えることですが、ファンが追いかける対象に対して以前ほどの貪欲さ、情熱、好奇心のようなものを抱きにくくなっているような気がします。それだけ軽く応援することが可能な時代になったのでしょう。それが、海を越えた先にいる明星(スター)であっても。

このへんの詳しい話は以下の本に書かれております。著者のひとりである水田菜穂さんは、私の大好きな映画の一本である『美少年の恋』(この本の表紙にも使われている)を日本で上映できるようにと、香港と日本の配給会社のパイプになるべく奔走されたスゴイ方であり、この方なくして今日本でこの映画は見れなかったかもしれない…と思うと、畏敬の念を感じずにはいられません。

現在絶版となってしまっているのが残念ですが、古書では手に入るようなので是非。

 

龍在香港―香港映画の新時代

龍在香港―香港映画の新時代

 

 

そのように地道ながら着実に、華流映画への愛を築き上げてきた電影迷(ファン)の業績を前に甘ちゃんの自分が書けることなんて、ほんと何もないよなあ〜と諦念モードだった私。

が、そんな斜に構えていた私の尻に火をつけたのは『花蓮の夏』でした。

 

花蓮の夏 [DVD]

花蓮の夏 [DVD]

 

 

この映画に出会ってから、もう「この子たち……好き!!!」という想いが溢れすぎて苦しくなってきて、このままだと街中で叫んでまう〜〜というところまで気づけば気持ちが大きくなっていました。胸をかきむしられるような作品でした、本当に。この映画についても詳しく書いていきたいなあ〜〜ぐへへ!と思っている所存です。

うーん、ここまで触れてきた映画のジャンルでだいぶ私の腐れな趣味趣向がバレている気がします。だって綺麗な男の子二人が出てて嬉しくないわけがないじゃないかーい。いや、地味に同性愛映画先進国だと思うんですよね、香港と台湾って。

 

入口は王家衛、大好きな明星は張国栄レスリー・チャン)と劉燁リュウ・イエ)という、実にわかりやすい、いわゆる典型的な女子電影マニアですが、よろしくお願いいたします。